Dragonfly40のBlog

主に障害者が就労移行支援に通う実情を綴っています。

就労移行支援番外編その1

就労移行支援とは本当に就職できるのか?

 

  1. 就労移行支援とはそもそもなんぞや?
  2. 訓練と就職は果たして繋がるのか?
  3. 「出来る仕事」と「やりたい仕事」は違う。
  4. オープン就労とクローズ就労、どちらを選ぶ?

 

1、就労移行支援とはそもそもなんぞや?

 

 まぁこのページを読んでいる人には今更なのかもしれませんが、就労移行支援とは、厚生労働省が障害者で「通常の事業所に雇用されることが可能と見込まれる者」に対して生産活動、職場体験等の活動の機会の提供、その他就労に必要な知識及び能力の向上に必要な訓練、求職活動に関する支援、その適性に応じた職場の開拓、就職後における職場への定着のために必要な相談等の支援を行う。

※標準利用期間2年

(規則第6条の9より抜粋)

また、対象者は「企業等へ就職を希望する者」となっています。

 なので、就労可能と見込まれる人が就労に向けて最大2年間という期間でスキルや知識を身につけて就職を目指す場、となっています。

規則にもある通り就労意思がある者でないと利用することは出来ないのです。

 

 

2、訓練と就職は果たして繋がるのか?

 

 ところが就労移行支援事業所は利用者の人数を増やしたいためにHPでは結構甘い誘い文句を謳っています、「PCスキルが上がる」とか「ビジネスマナーが身につく」など。

 しかし、これは見学や1日体験などで知るしかないのですが、必ずしもイコールでは無いのです。

例えばPC系に特化した訓練を実施している事業所があったとして、WordやExcelの知識が身についたとしましょう、しかしMOSの資格を取らないと履歴書の資格欄には書けないし、受験料は10,584円と決して安い金額ではありません。

この受験料を助成してくれる事業所などであれば資格取得を目指して訓練をするのも良いと思いますが、必ずしも受験料助成があるとは限りません。

 また、もし試験に落ちてしまった場合再受験の受験料は助成してもらえるのか?

 そしてここが一番の問題なのですが、「頑張って取得した資格を活かせる就職先があるのか?」ってところです。

 例えば最近結構流行っている訓練でWordPressをHTMLで作る訓練やDTPイラストレーターを学ぶって人が多いんですが、障害者求人でこの手の仕事の求人はめっちゃ少ないです。

 せっかく訓練して学んだスキルが活かせないってことになるんです、しかも資格取得がない物だと履歴書の資格取得欄に書く事すら出来ず、これらの作品系は面接の際にどれくらい出来るのか「じゃあ作品を見せてください」って言われることもままあります。

 さらに同じく一般求人でも同じ求人を募集していた場合、健常者には専門学校などで学んできた「野良の絵師」とか「野良のクリエイター」がゴロゴロしている世界なので、とてもじゃないですがたった2年(実際に就活期間を考えると1年)の訓練期間で就労できるスキルを身に付けることは、かなり厳しいというのが現実だと思います。

 

 

3、「出来る仕事」と「やりたい仕事」は違う。

 

 ここまで読んだ方は大方想像できると思いますが、じゃあ出来る仕事って何?やりたい仕事って何?って話になります。

 当然「出来る仕事=やりたい仕事」ではありません。

 「HPが作れますよ〜、CGが描けますよ〜」とどんなに履歴書でアピールしてもその仕事が出来るとは限らないのです。

 運良くハローワークで障害者求人があり、法定雇用率を満たすために内定したとしましょう、しかし現場で求められているスキルと訓練で学んだスキルにはかなり差がある事があるのはもはや常識です。

 逆に今時どんな職場でも使っているWordやExcelなどの方が潰しは効くので損がない資格だと言えます、事務以外でも今では運送業でも介護でも日報などは皆データ化されているので、OFFICE系が使える事はある意味強みです。

 なので仮に希望職種ではなくとも潰しが効く資格でもあります。

 要は100%希望の職種ってのは当然無理なわけで、じゃあどこで妥協するんだ?ってことになった時、少しでも自分のスキルを活かせる仕事ってのは希望職種には近いわけで、選択の幅が広がる資格取得ってのは取得する際に、または訓練する際に考慮する必要があると思います。

 

 

4、オープン就労とクローズ就労、どちらを選ぶ?

 

 障害者は最終的に自分の障害をオープンにするか、それとも会社に伝えずクローズで行くかを選ばなくてはならなくなります。

 クローズ就労の場合、健常者と同じ一般求人で応募出来るため、給与が高めだったり求人の選択肢が多かったりと求人の幅が広がります。

 しかし週40時間(週休2日だとして1日8時間労働(プラス残業))ができるだけの体力が最低限要求され、さらに精神不安定で急に休むなど、体調を考慮してはもらえません。

 それに比べオープン就労であれば障害者雇用で求人を応募出来、障害がオープンな為病気を理由に早退などにも割と寛容な企業が多いです。

(それでも限度はあるけれど)

 オープン就労のデメリットとしては正規雇用が少ない、給料が少ない、そもそも求人が少ないといった選択肢自体が少ないというのがあります。

精神疾患の人などは元々は健常者だったのでクローズで一般求人を目指すのも悪くはないかもしれませんが、発達や知的の人はそもそもの就労経験が少ない、あっても短期間で転職が多いなどとなると、オープン就労や就労継続支援A型やB型という選択肢の方が良いのかもしれません。

どちらにしても医師との相談は必要だと思います。

 

 

まとめ

 

 とにかく就労移行支援は訓練と就労支援しかしてくれません、実際の求人探しや応募、面接も結局は自分で動いて内定をもぎ取らなくてはいけません。

 履歴書の作成や職務経歴書も添削してもらえますが、職員の中にキャリアコンサルや就労アドバイザーがいるのならば良いですが、いない場合ハローワークなどで添削してもらうなど自分で動かなくては全くの事業所頼みというのはお勧めしません。

 就労継続支援A型も面接があるのですが、事業所によっては面接不合格になることもあります、しかし事業所の系列施設なら斡旋も期待できるかもしれません。

 運があれば同系列からの事業所移動という形で就労出来ることもありますが、それは稀であると思ってください。

 ともあれ就活は自分で動くことが大切です、なんの仕事がしたくて何が出来るのか?アピールポイントを明確にして自分を売り込む積極的な就活に取り組みましょう。