就労移行支援番外編その2
就労移行支援の訓練とは何をするのか?
●訓練は事業所によって様々
就労移行支援事業所の訓練というのは厚生労働省としては実は定めはありません。
各事業所が職業訓練として「ウリ」にしているものがそのまま訓練内容となっています。
それは利用者の障害の度合いによったりもするのですが、PCのスキルアップをメインにしている事業所であれば、PCを使ったOFFICE系ソフトの訓練やDTP、HTMLでのwebサイト制作などをやったりします。
コミュニティ関係を重視している事業所であればグループワークや電話応対の訓練など、各コミュニケーションに関する課題が出され、複数のメンバーで取り組む訓練に重点が置かれています。
他には軽作業を訓練とする事業所もあり、そこではダイレクトメールの袋張りや造花作り、積み木とかプラモデルの作成なんて変わった訓練をする事業所もあるようです。
なので事業所によって千差万別です。
自分はその事業所で何がしたいのか?何を学びたいのか?というビジョンを明確にしておく必要があります。
ただ漠然と「就職したいから行ってみよう」だと、ただ期間を無駄に過ごすことになります。
まず利用するに値するのか?そこで自分はスキルアップ出来るのか?それを見極めなくてはなりません。
●どうやって探せば良いのか?
就労移行支援は原則2年しか利用できません(例外で3年利用可能)
障害者手帳や療育手帳を持っていて、一定収入以下であると利用料金は無料になります。
また、生活保護受給者の場合交通費も保護費から支給される為、就労を目指す人にはとても良い制度です。
ですが、まだまだ就労移行支援というのはベンチャー企業でこれからの業種であり、ネットで調べるとたくさん出てきます。
ですが番外編1でも書いた通りHPはかなり提灯記事であり、良いことばかり書いてあります、「PCスキルが身につく」「コミュニケーションが上達する」など良いことが盛りだくさんです。
さらに事業所によっては工賃が出たり、お弁当が無料で支給されたり、資格受験の受験料が助成されるなど、魅力的なワードがたくさんです。
でもそこですぐに飛びつかないでください、その事業所には最長2年通所するかもしれない事業所なのです、職員とウマが合わないかも知れません、利用者の雰囲気も見て下さい、突然奇声を発する様な利用者がいて訓練に集中出来ない環境かも知れません。
訓練環境はとても大切です、どこの事業所も必ず見学や1日体験をさせてくれます、それをフルに活用しましょう。
特に立地も大切です、通所するのが遠い場所では長続きしません、それら様々なファクターを考慮し、他の事業所と比較するために本命以外に3箇所くらいは見学して下さい、それで自分に合った事業所だと思ったら決めるのが良いと思います。
●それでも不満は出てくる。
いろいろ検討した結果、事業所を決めて通所することになったとしましょう。
それでも不満は出てきます、それは通所して3ヶ月ほどで出てくると思います。
なぜかと言うと1日体験では分からない部分が徐々に見えてくるからです。
訓練に対する職員のフォローだったりとか、職員の就職に関する支援意欲だったりとか、利用者の心無い行動だったりとか精神保健福祉士がいないなどの専門分野の職員がいないとか、こればかりはどうしようもありません。
でも泣き寝入りすることはありません、もしどうしても「この事業所は合わない」と思ったら退所しましょう、ズルズルその事業所にいても時間の無駄です。
就労移行支援は確かに2年しか使えませんが、その2年間は他の事業所へ移っても問題ないのです。
なのでもしどうしても「合わない」と思ったら退所しましょう。
ただし、すべて100%自分の思い通りの事業所などと言うものはありません、多少は妥協したり我慢も必要です、社会性を身につけると言う意味でもそこで頑張る事も一つの考え方です。
●まとめ
事業所選びは大切です、PCの勉強をしたいのに軽作業をやらされては身もフタもありません、そんなことにならない様に情報収集は大切です。
一つの判断手段として「訓練風景をBlogにしている」事業所は信用出来ます。
訓練内容をオープンにする事で利用者の理解を深めようと言う姿勢はこれから利用しようとする人にもためになります。
逆に訓練内容が全く分からない事業所などは怪しいと思って良いです、訓練内容をオープンに出来ないって事は見せる事が出来ない何かがあるのです、疑うには十分なポイントですし、見学の際に質問としてぶつけてみるのも良いでしょう。
以上2回に渡って番外編をお送りしました、就労移行支援事業所選びの参考になればと思います。